塩野七生さんのローマ人の物語最終巻「ローマ世界の終焉」より。
ローマ帝国は、こうして滅亡した。蛮族でも攻めて来て激しい攻防戦でも繰り広げた末の、壮絶なる死ではない。炎上もなければ阿鼻叫喚もなく、ゆえに誰一人気づいた人もいないうちに消え失せたのである。少年皇帝が退位した後にオドアケルが代わって帝位に就いたのでもなく、またオドアケルが他の誰かを帝位に就かせたのではなかった。ただ単に、誰一人皇帝にならなかった、だけであったのだ。(後略)
日本の国民皆保険制度医療の崩壊は、どのような形で記録に残るのか。
この崩壊のまっただ中のやや後方にいながら、わたしはまだ知らない。
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